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不動産トレンド 不動産の市場価値の向上と市場整備

RETIOメルマガ第69号 より

 

我が国の土地を巡る状況は、バブル崩壊以降地価は大きく下落し、社会的ニーズに見合わない老朽化した不動産ストックの更新が進まず、有効利用されていない不動産が多数存在する状況もみられるようになっています。こうした状況下においては、既存の建築物を耐震化・省エネ化などにより時代のニーズに見合った不動産ストックに更新していくといった、住宅や建築物を「良いもの」にするための投資を促進することが、内需主導による成長と豊かな都市空間・住環境の実現に向けて必要となっています。

本年度の土地白書は、不動産の市場価値の向上と市場整備をテーマに掲げています。
不動産投資市場の活性化にむけた課題について、我が国のREIT 市場は世界各国の市場と比較すると、収益不動産市場の規模では日本は約203 兆円と米国に次ぐ規模ですが、上場REIT市場の規模では日本は約3.5 兆円と、オーストラリア(約6.8 兆円)やフランス(約6.0兆円)を大きく下回っていることから、我が国のREIT 市場は、他国に比べて、収益不動産市場の規模に対して規模が小さいといえると指摘しています。 

また、投資対象について、不動産証券化の実績を用途別の割合の推移でみると、平成9年度には8割程度がオフィスであったものが、その後住宅や商業施設の割合が増え、平成23 年度にはオフィス24.3%住宅19.3%、商業施設14.7%、倉庫10.1%、ホテル2.6%などとなってきましたが、アメリカと比べると多様化は十分とは言えない指摘しています。 

さらに、不動産投資家の今後のエリア毎の不動産投融資姿勢をみると、三大都市圏では「不動産投融資を拡大する」が26.1%、「現在の不動産投融資を維持・継続する」が21.0%であわせて半数近くを占めている一方、地方圏では「不動産投融資を拡大する」が8.7%、「現在の不動産投融資を維持・継続する」が17.7%となっているそうです。 

こうしたなか、現在、国会で審議中の不動産特定共同事業法の一部を改正する法案はまさに時機をえたものと考えます。これは、耐震改修・耐震建替、介護施設の整備、地方の物件、小規模物件や、物件を順次取得していくケースなど、既存の証券化スキームでは対応が困難な場合が存在していることから、建築物の耐震化や民間施設の整備など都市機能の更新に民間資金の導入を促進するため、倒産隔離型の不動産特定共同事業を可能とするべく、一定の要件を満たす特別目的会社(SPC)が不動産特定共同事業を実施できることとする等の所要の措置を講ずるものです。不動産投資市場の活性化のため、本改正案が一刻も早く成立し、施行されることを望みたいと思います。

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