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不動産トレンド 家賃保証会社について

144★☆《家賃保証会社について》★☆

REITOメルマガ第95号より

 

 

 

 

先ごろ一般財団法人不動産適正取引推進機構の研究会が公益財団法人日本賃貸住宅管理協会総合研究所の方々をお招きし、2013年度下半期の賃貸住宅市場景況感調査結果(「日管協短観」)などについてお話をお聞きしました。

この協会は、賃貸住宅における健全かつ専門的な運営、管理業務の確立と普及を通じて賃貸住宅市場の整備、発展を図ることを目的として2001年に設立され、会員は1190社(H25.3月現在)、会員の総管理受託戸数は約450万戸を数えています。

管理会社は賃貸住宅の仲介業務を行っている場合が多いため、管理会社にアンケートした同短観は賃貸住宅市場動向をモニターするものとなっていますが、全体的には借り手の立場が強くなっている、つまり「借り手市場化」が進んでいるとの印象だそうです。確かに、賃貸用物件を含めた空き家率の上昇など供給過剰が指摘されており、同協会は外国人のような引き合いの強い需要層に対応した「外国人の入居円滑化ガイドライン」を作成し普及に努めています。当機構にも、度々外国の方々からの相談があり、このような活動は歓迎できるところです。

また、同短観では、礼金、敷金、保証金の平均月数が全国的に低下する一方(ゼロゼロ物件が増えてきた。)、家賃保証会社を利用する管理会社の割合が大幅に上昇していることが指摘されています。首都圏でも2012年下期90%の利用率が2013年上期に98%に、関西圏では94%が100%に上昇し、賃借人に加入を必須とする会社も60%となっています。アンケート回答企業に限った調査ですから完全ではありませんが、賃貸住宅市場において家賃保証会社の利用が急速に進んでいることは間違いないでしょう。各種報道でも、家賃保証会社の増加、保証会社の立ち上げ支援会社の登場などが伝えられています。

例えば中小企業金融の世界でも、会社の信用力補完、債権保全等の観点から、融資を受けるに当たって第三者による個人保証を提供することが多く見られましたが、主たる債務者が返済できない場合には保証人に対して巨額の代位弁済請求がありうることから、政府は金融機関に対して経営者以外の第三者の個人連帯保証を求めないことを原則とした監督指針改正を行うなど、個人の連帯保証責任の軽減に舵を切っています。金融機関が返済に問題ないと判断すれば連帯保証なしの融資を行うわけですが、その判断がつかないような中小企業の場合は、信用保証協会法に基づいて各都道府県に設けられた信用保証協会が一定の審査をした上で債務保証に応じる仕組みがあり、景気に左右されながらも多くの中小企業が利用しています。

家主は住宅の貸し手であり、賃借人の信用情報を把握したり別の担保をとることができない以上、連帯保証人を求めるのは理解でき、中小企業金融のように個人の連帯保証を制限するのは難しいでしょうが、個人が安易に連帯保証に応じれば、賃借人の債務不履行があった場合に不測の代位弁済を求められるのは中小企業金融の場合と変わりありません。

現在の民法改正論議の中でも、保証債務に上限(根保証の極度額)を設けたらどうか、賃貸人に保証人への説明義務や通知義務を課し連帯保証人の保護を図るべきではないかという意見が多く出されています。

また、個人の側でも連帯保証人になることを敬遠する動きは高まり(当機構にも連帯保証人になったがその保証契約を打ち切りたいという相談が多くあります。)、社会的にも高齢化、核家族化、個人志向等を背景に、従来のような連帯保証人をつけられない賃借人も増えてきました。つまり、現在の賃貸住宅市場は、もはや個人による連帯保証に頼ることができず、信用保証協会ほど大規模でないにしても、何らかの機関保証を必要としている、現在見られる家賃保証会社利用の急増はそのことを示唆していると言えるのではないでしょうか。

現在、賃借人の家賃等を保証する事業には何らの規制もかからず、過去、家賃保証会社による強引な求償が問題になったこともあります。そこで、同協会は、家賃保証業務の適正化を目指して、協会内に有志の会員からなる家賃債務保証事業者協議会を設立し、特に業者による行きすぎた求償行為等を規制する自主ルール(例えば、家賃保証委託契約の申込者に対し契約の内容を十分理解させること、契約者への求償権行使に当たり平穏な生活を侵害する行為を行わないこと等が規定されています。)を設けその普及に努める一方、家賃債務保証に関する実態調査を行いました。

この調査結果においては、(1)回答企業の45%が2006から2010年の間に保証事業を開始、15%が2011年以降に開始している、(2)営業利益率は総じて高い、(3)保証範囲は家賃以外にも残置物撤去費用、明け渡し訴訟費用、強制執行費用、原状回復費用と広く及ぶ、(4)約半数が保証限度額を24か月以上としている、(5)賃貸人・管理会社の変更、賃貸借契約上のトラブルが多い、(6)30%程度が保証委託契約締結に当たって連帯保証人を徴求している、(7)60%が自主ルール導入によりトラブルが減少したと回答しています。

研究会での議論では、(1)賃借人が保証会社と保証委託契約を結ぶ際の重要事項説明が十分でなく賃借人側の理解が不足しているのではないか、(2)いまだ酷い取り立て行為が見られるのではないか、(3)家賃保証会社破たんの際の貸主・借主双方のリスクが高いのではないか、(4)保証会社が代位弁済した後に賃借人から賃貸人に延滞賃料が振り込まれるケースがあるなど決済が複雑にならないか、(5)貸主が家賃保証会社利用を義務付ける一方で自然人である連帯保証人も求めるのは行き過ぎではないかといった意見が出されました。

家賃保証会社は、賃借人の財務内容を審査できない賃貸人、個人の連帯保証をつけられない賃借人、双方の社会的事情を背景に現れてきたものであり、一律に禁止するわけにはいきませんし、信用保証協会のような公的な保証機関を作るのも困難でしょう(信用保証協会の場合は、主たる債務者の倒産等により回収不能となった損失をカバーするため別の公的機関に再保険をかけ損失を穴埋めします。仮に再保険原資が枯渇した場合は税金投入があり得ます。)。このため、民間主導で登場した家賃保証会社について、少なくともその参入規制(財産規制や行為規制)を早期に整備し、財産的基盤の脆弱な業者、悪質な業者を排除しながら健全な業界を育成していく時期にあるのではないでしょうか。

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2014年10月5日 | コメント/トラックバック(0) |

カテゴリー:不動産トレンド

不動産トレンド 空き家対策の難しさ(2)

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★☆《空き家対策の難しさ(2)》★☆

REITOメルマガ第87号より

 

 

 

前々回は、全国で増え続ける空き家の中でも、なお快適な居住が可能な住宅の有効活用策についてご紹介しました。今回は、老朽化が進行し、すでに朽廃が近いと思われるような空き家についてです(空き家に見えるが人が住んでいる場合も多いでしょう。)。

これらについては、建物の倒壊、建築材の飛散、不特定の者が建物内に侵入し火災・犯罪の温床になるといった危険性が指摘されます。自治体や地元住民の中には早期に除却してほしいと思う方も多いでしょうが、空き家であること自体は所有者に許容される財産権行使の範疇に入ることから、行政が勝手に除却することはできず、あくまで建物所有者の判断が優先されます。


平成25年4月時点の国交省聞き取り調査では全国200以上の自治体が空き家対策関連の条例を制定・施行しており、中には居住の有無を問わず老朽家屋の解体を促す条例も見られます。例えば東京都足立区が平成23年10月に制定した「足立区老朽家屋等の適正管理に関する条例」は、建物等が「危険な状態」にならないようその所有者等に維持管理を義務付けたり、「危険な状態」にあると認められる建物について区長は実態調査したり、その所有者等に「危険な状態」を解消するため必要な措置をとるよう勧告できる、所有者等の同意を得て区長自ら緊急安全措置を講じることができるといった規定を設けています。


除却費用の一部補助制度もありますが、聞いてみますと、対策が円滑に進まないケースとして、建物が未登記であるなど現実の所有者が不明で探索に時間を要することがあり固定資産税部局との連携を模索している、所有者との交渉がうまくいかず勧告に至ったがなかなか勧告に応じてもらえないといったケースもあるそうです。高齢化の進行も影響しているでしょう。


また、建物の所有者が土地所有者と別人の場合、つまり空き家が借地権付き建物である場合には一層厄介なようです。旧借地法の下で契約された期間の定めのない借地契約の場合、地主つまり借地権設定者が、建物の所有者つまり借地権者に対して建物の朽廃による借地権消滅及び明け渡しを求めることは可能ですが、建物の朽廃の判断は難しく交渉が長期化する可能性もありますし(このため平成4年借地借家法制定において旧借地法に存在した朽廃による借地権消滅規定は削除された。)、朽廃が認められない場合に、借地権者側から建物買取請求や借地権買取請求といった金銭的補償を要求された場合の処理も懸念材料です。


居住用不動産における土地の固定資産税軽減特例があるため、建物を除却してしまうとその軽減を受けられなくなるという問題も多く指摘されます。このため、条例により建物を除却しても固定資産税は引き上げないという措置をとることも考えられるでしょうが、その実例は聞いたことがありません。

民間事業者の方と話しても、老朽空き家の場合は所有者がよくわからないといった理由で取り組みに逡巡する意見も多く、その再生には行政の関与が不可欠という指摘を聞きます。一方、事業者の中には、所有者等との円滑な交渉が期待できる場合には、例えば底地権を買い取った上で借地権者と交渉し、不動産の再生に向けた権利調整等に取り組む例も出てきています。

各地で定められている条例以外にも、所有者確認のための税務情報活用、市町村への立ち入り調査権付与、固定資産税見直しといった規定を盛り込んだ新たな法律を作ろうという動きが進んでいるようです。このような法的仕組みをバックに、不動産の再生に向けた所有者等の理解が醸成されれば、民間事業者の参入も一層進んでくるでしょう。

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不動産トレンド 耐震・環境不動産官民ファンドに期待する

001★☆耐震・環境不動産官民ファンドに期待する★☆

REITOメルマガ第86号より

 

 

 

あけましておめでとうございます。
前回は空き家対策についてご紹介しましたが、日本経済の再生が望まれる年の初めでもあり、不動産の再生を資金面から後押しする官民ファンドについてご紹介したいと思います。


昨年末、国土交通省、環境省及び耐震・環境不動産ファンド運営機関である環境不動産 普及促進機構が第一号ファンドマネジャーを選定するとともに、機構出資とこれを上回る 民間出資及び銀行融資を集めて作られた第一号ファンドが再生用不動産1棟を取得したと 発表しました。発表によると、この第一号ファンドが取得したのは東京都内の築年数が一 定期間経過した稼働中のオフィス・住宅複合ビルであり、エネルギー使用量を概ね15%以 上削減する省エネルギー改修工事を行うそうです。

ご案内のとおり、我が国には立地はよいのに老朽化が進んでいる物件が多く(国土交通省「法人建物調査(2008版)」によれば、総数97.4万件のうち、新耐震基準導入前に着工された建物が36.6万件あるが、そのうち32.7万件、全体の33.6%が新耐震基準を満たしていない又は未確認という結果が出ています。)、特に東日本大震災後は耐震性に優れた不動産の需要が増え、病院や劇場など不特定多数の者が利用する大規模施設等の所有者に耐震診断を義務付ける改正耐震改修促進法が施行されるなど、老朽化した不動産の耐震化・環境対応は喫緊の課題になっています。


これらの不動産再生事業は、遊休地の新規開発と異なり手間も時間もかかるので大手デ ベロッパーは手を出しにくく、むしろ準大手、中堅のデベロッパーが積極的に取り組んでいると言われます。老朽不動産や遊休地を取得して再生工事を行って売却しようとする場合、多額の先行資金調達が必要になりデベロッパーの信用力だけでは集めきれない可能性があります。このため、再生事業そのものの魅力や採算性を投資家に説明して出資金を集め、それに見合った銀行融資を集める仕組み、つまりプロジェクトファイナンスとか不動産証券化と呼ばれる手法が必要となります。昨年12月に施行された改正不動産特定共同事業法は、国の許可を得たデベロッパーなどが、投資対象不動産の保有だけを目的とする別会社(特別目的会社とかSPCとか呼ばれます。)を作って、その口座に投資家等から振り込んでもらった資金を使って不動産を購入、改修工事等を行って売却等を行いやすくする仕組みです。改正法の施行日に不動産証券化協会が行った実務研修会には不動産業者や金融
機関を中心に500名近くの参加があったなど注目されているようです。

我が国における不動産投資は問題のないきれいな不動産(耐震性があり屋外広告違反などの法的問題もなく立地が良く稼働中といった投資適格不動産とかコア不動産と呼ばれる不動産)に集中し、老朽不動産を再生してリターンを得るようなバリューアップ投資はあまり行われてきませんでした。2007年に約8.9兆円という過去最高の民間資金が我が国の不動産投資市場に入った時でも、その取得対象は大都市圏に立地する投資適格不動産が主で、これがプチバブルの原因となったとの指摘もあります。

一方、米国の公的年金カルパース(カリフォルニア州職員退職年金基金)などは全ポートフォリオ約2,574 億ドル( 2013 年3月末時点)のうち211億ドル( 約10%)を不動産投資に振り向け、不動産投資の中身も投資適格不動産に限らずバリューアップ投資や開発投資が含まれています。

不動産特定共同事業法も改正され、バリューアップ投資しやすい法的仕組みは整いましたが、投資家からしてみれば、投資したことのない不動産再生事業への投資に逡巡したり、通常より高い利回りを要求するかもしれません。平成24年度補正予算で措置された耐震・環境不動産官民ファンドは、国自らが呼び水的な出資を行って、不動産に投資しようとする民間資金を投資適格不動産だけでなくバリューアップ投資にも振り向ける道筋を作るために措置されたものです。

すでに事業を行っている会社の株を買って出資するのと異なり、不動産再生事業に出資するためには、まずファンドマネジャーが投資家の了解を得た後、不動産のオーナーと買取交渉し、合意ができたところでSPCを作って、そのSPCが投資家と契約を結ぶことで初めて資金を集められるわけですからどうしても時間がかかります。今回の第一号事業も、官民ファンドの出資が呼び水となって他の投資家の資金や銀行融資も集まり、この資金力をもってオーナーと交渉した結果、取得につながったと考えられます。いくら補助金や税制優遇があっても、補助裏や再生後のテナント確保等に不安のあるオーナーは動きません。国の出資を得た不動産再生ファンドなどに物件を売却して再生してもらい、場合によっては再取得・再入居を真剣に考えるようなオーナーが増える契機となるでしょう。

また、同機構の発表によれば、地域の不動産事情をよく知る地銀や信金信組など中心とする174行が国交省も含めたパートナーシップ協定を同機構と結び、銀行側から事業化が進められそうな案件が出てきた場合は、同機構がファンドマネジャーを紹介するとともに採算性等に問題なければ機構出資を検討することとされているそうです。

国会議員の方々と話しても、どんな地域の駅前でも老朽化・遊休化が進んでいる不動産があり、これが放置されることは地域全体が放置されているように感じるとのことです。金融機関だけでなく地元を支える企業や地方自治体などが、知恵と資金を出し合って地域のモニュメントである不動産の再生に取り組まれることに期待したいですね。

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不動産トレンド 空き家対策の難しさ(1)

032_thumb★☆《空き家対策の難しさ(1)》★☆

REITOメルマガ第85号より

 

 

 

国土交通省によると、全国の空き家は住宅総数の13%、約757万戸に達したそうです。

当然ながら「賃貸又は売却用の住宅で空き家になっているもの」が約448万戸と最も多く平成10年から20年にかけて1.27倍に増えていますが、問題は「これら以外で人の住んでいない住宅」が約268万戸、平成10年から1.47倍と高い増加率を示していることです。H20 年度で空き家率が最も高いのが山梨県の20.3%、最も低いのが沖縄県の10.3%、都市部に比べて地方部の一戸建て住宅の空き家率が特に増加しているようです。


管理不十分な空き家の増加は、外壁落下や倒壊事故、ごみの不法投棄、景観悪化、犯罪の誘発など様々な悪影響を引き起こすことから、平成25年4月時点聞き取り調査では全国211以上の自治体が空き家対策関連の条例を制定・施行しているそうです。また、所有者不明空き家への対応や除却に強制力を持たせるといった観点から、税務情報を活用できるようにしたり、市町村に立ち入り調査権を与えるといった効果を有する議員立法の動きも進んでいるようです。

国土交通省は、空き家再生等推進事業と呼ばれる空き家住宅の除去や活用等経費補助制度を設けていますが、すでに居住していないオーナーが自ら対策を講じるとは限りません。そこで、このような空き家を何とか売却・賃貸に回し、買い手や借り手によるリフォームなどを通じて、有効活用や除却ができないか、専門の委員会を組織して検討を開始し、各自治体が運営する、いわゆる「空き家バンク」の運用状況などをヒアリングしています。不動産適正取引推進機構も、不動産取引における法律問題についての知見を買われて委員として参画していますが、空き家の発生数に比べてバンクによる制約数が少ないなど、問題を解決するにはまだまだスケールが小さいようです。

空き家といっても、築年数が浅く耐震性はあるようなすぐ住める物件と、朽廃が近いなど老朽化が進んでいるものに大きく分けられます。特に人口減少に苦しむ地方部においては、前者のような物件を移住希望者の方々に安く貸し出し、定住を促進できないか検討されているようです。最初から賃貸を考えるオーナーは不動産業者に頼んで客付をするでしょうから、むしろ行政としては、見も知らぬ第三者と賃貸借契約を結んでいいのか、置きっぱなしにしている荷物をどうするかといった不安で決心がつかないオーナーと交渉して賃貸を後押しする役割が大きいように感じます。

しかし、賃貸借契約というのは、賃料を受け取って建物を賃貸するわけですから、貸主には修繕義務や敷金の返還義務というのがありますし、後日こんな物件なら借りなかったといって、中途解約、損害賠償といった面倒が起こる可能性があるなど、貸主もそれなりのリスクを負い、オーナーの不安ももっともな部分があります。行政に促されて賃貸したところトラブルに巻き込まれた場合、最悪、自治体の責任が問われる事態も考えておかねばなりません。

このため、「空き家バンク」の設計に当たっては、重要事項説明などにより物件の形状や使用のルール、周辺環境などをきちんと説明できる不動産業者の参画を求めることは絶対ですし、不動産業者の仕事は、仲介の申込みから契約、鍵の引渡しまでですから、例えば国の登録を受けた賃貸住宅管理業者による管理を求めるなど、貸主の不安をできるだけ払しょくする環境整備が必要でしょう。

この環境整備を一歩進めて、自治体が、空き家の一括借り上げ、改修、転貸という、まさに「空き家の銀行」としての「空き家バンク」法人を立ち上げれば、オーナーは直接転借人と交渉することがないなど安心感は著しく向上し、「バンク」にだったら安く貸しましょうとなり、過大な利益を求めない「バンク」が移住希望者向けに安く貸せるようになるでしょう。例えば、移住・住みかえ支援機構は住まなくなった家を最低賃料を保証して一括借り上げし、転貸する、いわゆるサブリースの手法を使って利用を伸ばしていますし(平成25年9月末時点で414件の転貸借契約成立)、報道によると、厚生労働省も、NPO法人などが空き家を借り上げ、見守りなどの生活支援を付与した「高齢者ハウス」として低額な賃料で貸し出すモデル事業を来年度から始めるようです(住宅新報平成25年10月22日号)。国としても、空き家対策に悩む自治体を支援する意味で、この辺まで踏み込んだ対策を検討する必要があるかもしれません。

長くなりましたので、朽廃が近いような空き家対策については次回考えてみたいと思います。

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2013年12月1日 | コメント/トラックバック(0) |

カテゴリー:不動産トレンド

不動産トレンド 最近の判例より~ <婚外子>と<自殺告げず賃貸>

308今朝のYahooのニュースに、相続や不動産関連の判例の記事が掲載されていましたので、紹介します。

 

 

 

 

婚外子、平等相続の判決…最高裁決定で東京地裁

結婚していない男女間の子(婚外子)である東京都内の40歳代男性が、結婚した夫婦の子と同額の相続を求めた訴訟で、東京地裁(花村良一裁判長)は28日、婚外子の相続分を半分とした民法の規定を「違憲・無効」とした9月の最高裁決定を踏まえ、男性の請求を認める判決を言い渡した。

 

<自殺告げず賃貸>家主の弁護士に賠償命令 地裁尼崎支部

マンションの一室で自殺があったことを告げずにその部屋を賃貸したのは不法行為だとして、部屋を借りた男性が家主の男性弁護士(兵庫県弁護士会所属)に約144万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が28日、神戸地裁尼崎支部であった。杉浦一輝裁判官は「告知すべき義務があったのに、意図的に告知しなかった」として、弁護士に賃料や慰謝料など約104万円の支払いを命じた。

 

我が国の裁判は、判例主義です。
過去に出された裁判の判例をもとに今回の事象と照らし合わせ、その過去の判例の影響を大きく受けると言われています。

この2件の判例ともに最近の世間の動きを見ていれば、十分納得のいく内容と感じます。

 

相続や不動産に係わるものとして、過去の判例、特に世間が注目したような判例には特に気を配って、日々仕事をしていきたいと思います。

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2013年10月29日 | コメント/トラックバック(0) |

カテゴリー:不動産トレンド

不動産トレンド 再びJリートが注目されています

085★☆《再びJリートが注目されています》★☆

REITOメルマガ第83号より

 

 

 

9月19日に発表された2013年7月1日時点の基準地価は、三大都市圏の商業地が5年ぶりに上昇したことで注目されました。また、複数のメディアが「Jリートが商業施設等を積極的に購入したことが地価を押し上げた。」と報じたことも印象的でした。


Jリートとは不動産投資法人(Real Estate Investment Trust)のことで、課税の特例のある大手上場不動産賃貸業者といえばイメージしやすいでしょう。投資法人法という法律に基づいて設立され、多数の投資家に株式を発行したり、社債の発行、銀行借り入れなどで集めた資金を使って、優良なオフィスビルやマンションなどの賃貸不動産を購入し、その賃貸利益を投資家に配当する法人です。租税特別措置法において、利益の90%以上を配当することなどを条件に配当前利益に法人税が課税されない特例や、不動産流通税の軽減特例などがあるため、比較的高く安定した配当が可能になっています。同種の仕組みは世界24か国にあり、Jリートは2012年3月末時点で上場銘柄数39、時価総額7.2兆円と世界第三位に位置付けられておりますが、発祥の米国、つまりUSリートが180銘柄、時価総額62兆円であるのと比べるとまだまだ見劣りがするところです。

2008年秋のリーマンショック直後にJリート1社が破たん(ただし、民事再生申請後別のJリートに吸収され、株式や債権が結果的に毀損されなかったことも注目されました。)するなどJリート市場は危機的な状況にありましたが、政府による支援措置、Jリート同士の合併やスポンサー交代、景気回復などに伴って、Jリートの信用力や資金調達環境が徐々に好転しました。その結果、今年1~8月に取得を決めた不動産の総額は約1兆5千億円と、過去最高だった2006年(年間約2兆円)を上回るペースとなっており、これが三大都市圏商業地の地価上昇に貢献したと評価されているのでしょう。2009年はわずか4000億円程度の物件取得に落ち込んでいたわけですから、市場の力というのは恐ろしいものです。今年の春にソニーやパナソニックといった大企業が自社ビルをJリートに売却して資金調達を行い、これをリースバックすることで営業を続けています。健全なJリート市場は、我が国経済を支える安定化装置としても重要といえるでしょう。

一方で、Jリート指数や物件取得ペースの急速な回復について、リーマンショック前のようなプチバブルの再来を懸念する声も出てきました。確かにあの時期は新興デベロッパー等によるJリート設立が相次ぎ、物件取得意欲も旺盛で、Jリートが私募ファンドと争って、優良物件を高値買いしているといった批判もありました。

この背景には、Jリートが買えるような投資適格不動産(立地が良く耐震性など遵法性に問題のないような不動産)が少なかったという事情があるでしょう。Jリート市場が大きくなるためには、Jリート自身の信用力だけでは足りず、投資適格不動産の供給を増やす必要があります。このため、立地が良いが老朽化しているような不動産を投資適格不動産に再生したり、これまで投資対象となりにくかったヘルスケア施設の情報開示を促進したり、海外の優良な不動産を取得できるようにするなどの制度整備が望まれるところです。

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2013年10月8日 | コメント/トラックバック(0) |

カテゴリー:不動産トレンド

不動産トレンド 建築物の耐震化に向けた新しい取り組みが進んでいます

029★☆《建築物の耐震化に向けた新しい取り組みが進んでいます》★☆

REITOメルマガ第82号より

 

 

 

建築物の耐震化に向けて、先の通常国会で改正耐震改修促進法が様々な議論の末に全会一致で可決成立し、11月施行に向けた準備が進んでいます。

この法律は、阪神大震災を受けて1995年に立法されたものですが、今回の改正では、耐震診断及び耐震改修の努力義務の対象を拡大し、現行の建築基準法の耐震関係規定に適合しない全ての建築物を対象とすることとされました。

加えて、病院や劇場など不特定多数の者が利用する大規模施設や小学校、老人ホームなど避難弱者が利用する建物、自治体が指定する緊急輸送道路などの避難路沿道建築物、防災拠点、避難所などの所有者に対しては、耐震診断を義務付け、その結果を一定の期限までに所管行政庁に報告しなければならないこととし、報告を受けた所管行政庁はその報告内容を公表することとなっています。

所有者にとっては、耐震改修や建て替えの必要性はわかるものの、費用調達をどうするか、テナントが再び戻ってくるだろうか、賃料アップにつながるかどうかといった様々な不安があると思われます。そこで、同改正法においては、耐震化促進措置として、耐震診断や耐震改修の助成率引き上げや、増築に係る容積率及び建ぺい率の特例などが行われるとともに、今後、耐震改修促進税制の拡充も検討されているようです。

耐震改修に比べ耐震建て替えの場合は所有者にとって一層リスクが高く、区分所有建築物の場合は合意も一層困難なものになりますが、最近は、老朽マンションの建て替えに伴い、空容積率を使って創出された保留床の売却により工事代金等を捻出することで居住者の負担を減らしたり、隣接する同じような老朽マンションと共同建て替えをすることで高い建物に作り替えて居住者の負担を減らす事例がみられます。

建築物の建て替えは、工事代金以外にも居住者やテナントの理解や移転費用の調達など多くの先行資金が必要となりますが、所有者によっては、税の軽減、補助金だけではこれらの先行資金を賄えないため、自己資金の拠出や銀行融資が必要となるなど資金調達リスクが大きい場合があります。このため、先の通常国会で不動産証券化を規律する法律である不動産特定共同事業法が抜本改正され、必要な資金を投資家から直接集めた特別目的会社(SPC)が、老朽化物件や遊休地を買い取って、必要な工事を行った上で他に売却したり、元所有者にリースバックしたり、売り戻せるような仕組みを整えました(施行は12月を予定。)。マンション建て替えや再開発事業の事業参加者として、デベロッパーに代わって、民間資金を集めた特別目的会社が参画することもありえます。昨年度補正予算で措置された耐震環境不動産ファンド(国土交通省300億円、環境省50億円)は、耐震改修や建て替え、環境対応等を行おうとする特別目的会社などに出資できることとなっており、
民間投資の呼び水として活動することが期待されています。

最近の判例を見ても、経済合理性等の面から耐震改修でなく除却・建て替えを選択した賃貸人が賃借人に対して行った明渡し請求なども、立退料等相応の代償措置を講じることで認められたケースが見られます(平成25年3月28日東京地裁判決、平成25年1月25日東京地裁判決等。)。

建築物の所有者として、建築物の耐震性確保は、テナントや居住者、利用者、周辺住民の安心を高めるために必須のものです。一方、耐震建て替えなどは所有者にとっても一大事でもあるため、補助制度や税優遇の拡充、民間資金を利用しやすくする仕組み、一時的に移転するテナントへの配慮などの制度が整えられていくと考えられますが、具体的な建て替えプラン、資金調達プランまで行政でアドバイスできるものではありません。個々の所有者の相談に乗り、有効な解決策を提示し、実行する不動産関係者の一層の努力が重要であると考えられます。

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不動産トレンド 賃借人の安全・安心のためにすべきこと

029★☆《賃借人の安全・安心のためにすべきこと》★☆

RETIOメルマガ第79号 より

 

 

 

平成23年3月11日の東日本大震災以降、我が国全体で地震等自然災害の発生が懸念されており、防災・減災対応についての動きが、不動産取引の分野においても活発化しているようです。

まず、最近の裁判例を二つ紹介します。

本年3月に東京地方裁判所で出た判決ですが、昭和46年建築の11階建て大規模賃貸マンションを所有する賃貸住宅事業者が、耐震診断を実施したところ、地震の震動及び衝撃に対して倒壊し、又は崩壊する危険性が高いとの結果が出て、その後の検討を経て耐震改修が経済合理性に反するとの結論に至り、改修工事を断念して除却する方針となり、賃借人らに対し、建物の明渡しを求めた事案において、裁判所はこの賃貸借契約更新拒絶には正当事由があり、賃貸住宅事業者は、賃借人らに対し、建物の明渡しを求めることができると判示しました。もちろん、居住者に対して、移転先のあっせんを含め退去に伴う経済的負担等に十分配慮した代償措置が提案されていることが考慮されています。

この他、住宅関係ではありませんが、昨年11月に東京地方裁判所で出た判決では、昭和33年頃に建築された鉄筋コンクリートブロック造の建物について、震度5強以上、かつ周期の短い地震動を受けた場合に中破以上の被害を受ける可能性があることから建て替えることが望ましく、相応の立退料を支払うことを条件に、賃貸事業者から賃借事業者へ申し入れた賃貸借契約解約の正当事由が認められました。

このように、耐震性に問題のある建物については耐震改修を進めることが必要ですが、それがどうしても難しい場合、除却等を行うことが裁判上認容される方向のようです。我が国社会における地震等自然災害に対する懸念の広がりを踏まえた考え方なのでしょう。
これまで、住まいとして、また事業所として、大事に長期間使用されてきた建物を除却するのは大変辛い決断だと思われますが、賃借人の安全・安心を確保するためにはやむを得ないということでしょう。

ここで、昨年11月に当機構において実施した賃貸住宅管理事業者へのアンケート調査結果を紹介します。

防災・減災対策の観点から、賃貸人から賃貸住宅管理事業者にあった相談内容としては、耐震診断・点検の実施を約3割、耐震改修工事・補強の実施を約1割5分、老朽化して危険と認められる物件の建て替えや改築を約2割の管理事業者が挙げています。一方、管理事業者が賃貸人に提案している対策の内容としては、耐震診断・点検の実施を約4割、耐震改修工事・補強の実施を約2割、老朽化して危険と認められる物件の建て替えや改築を約3割の管理事業者が挙げています。これらの結果は、首都直下地震や南海トラフ巨大地震が懸念されている地域(1都9件)では、全国平均より概ね高い割合でした。

また、防災・減災対策で必要な工事のための契約解除の賃借人への依頼については、「これまで依頼したことはないが今後あり得る」という管理事業者が約4割であり、首都直下地震や南海トラフ巨大地震が懸念されている地域(1都9件)では約5割という結果でした。

そして、地震、津波、洪水等災害ハザードマップに係る地域情報について、約3割の管理事業者が賃借人への情報提供に取り組んでおり、こうしたソフト面の取組みも、今後ますます浸透していくことでしょう。

こうした賃貸人や賃貸住宅管理事業者における取組みは、東日本大震災以前では考えられないくらい積極的なものとなってきていると推測されます。

賃貸人や賃貸住宅管理事業者にとって、賃借人の安全・安心を確保することは極めて重要な責務と考えられます。今後とも、建物の耐震改修等のハード面の取組みと地域の防災情報の提供等のソフト面の取組みの双方から、着実に、そして粘り強く推進していくことが強く求められています。

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不動産トレンド 既存住宅インスペクション・ガイドラインについて

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★☆《既存住宅インスペクション・ガイドラインについて》★☆

RETIOメルマガ第78号 より

 

 

昨年来、中古住宅流通市場の整備に関する取組が官民挙げて進められています。
その一連の取組みの一つとして、昨年3月、国土交通省により「中古住宅・リフォームトータルプラン」が策定されましたが、これは、中古住宅流通・リフォーム市場の環境整備を進め、国民の住生活の向上を目指すとともに市場規模の拡大を通じた経済活性化に資することを目的とした施策パッケージです。その中で、中古住宅の売買時に、買主、売主、不動産仲介業者等が依頼者となって、第三者が住宅の現況検査を行い依頼者に報告するシステムとして、インスペクションがあり、その検査方法やサービス提供等についての指針を示すことが提言されていました。

これを受け、昨年12月に、学識経験者、建築関係団体等の有識者で構成する「既存住宅インスペクション・ガイドライン検討会」が設置され、4回の会議を経て、去る4月26日にガイドライン(案)が概ねまとめられたところであり、近々、パブリックコメントに付される予定とのことです。同ガイドラインは、住宅の不具合箇所の修繕や性能向上に係る診断ではなく、その前段階における基礎的な検査という意味での「既存住宅一次インスペクション(既存住宅現況検査)」を対象とし、技術的な面を中心とする指針であり、依頼者等からの信頼性を確保して、円滑な普及を図ることを目的としているものです。


ちなみに、昨年11月に一般財団法人 不動産適正取引推進機構において実施した不動産事業者へのアンケート調査では、
・インスペクションの普及を図るなら、検査項目、評価基準等の標準化が必要との回答が65%、
・技術者の育成、事業者の育成が必要との回答が35%、
・インスペクションの普及促進については、インスペクションを利用するか、単なる現状有姿売買にするか等に関する当事者の自由な判断を阻害しないように配慮しつつ進めてほしいという回答が48%
という結果でした。


不動産事業者からみて、インスペクションの仕組みはまだまだ発展途上にあることから、内容の標準化、公正な業務実施等により信頼性が確保されることが先決であり、その上で、個々の不動産取引における必要性に応じて利用するか否かが決まるということでしょう。
そういう意味では、今回のガイドライン(案)の公表は、大きな一歩ということです。
特に大事な点としては、インスペクション事業の客観性・中立性の確保を図るため、いわゆる「利益相反」の問題が生じないようにする方針が提示されたことです。他の事業を兼業しているインスペクション事業者の場合に遵守すべき事項、リフォーム工事業者との関係における遵守すべき事項などを示し、公正な業務実施に向けた視点を提示しています。
インスペクション事業者によるインスペクションの信頼性確保を目指した取組みの推進により、買主、売主、不動産仲介業者が安心してインスペクションを利用・紹介できるようになることが期待されています。

 

 

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不動産トレンド 大家さん向け保険広がる

地震<孤独死>大家さん向け保険広がる 修復費・家賃減補う

YAHOOニュース

 

 

 

周囲の住民との関わりが薄い賃貸住宅での「孤独死」が社会問題化する中、大家向けの損害保険が広がりを見せている。部屋の原状回復費や家賃の減額分など大家の負担を賄うもので、加入する大家からは「独居の高齢者の入居が増えており、リスクを軽減できるのはありがたい」との声が上がる。同種の保険を扱う業者が増えている。

 

『孤独死』といえど事故物件になってしまいますので、大家さんとしては深刻な問題と思います。

そのようなリスクに備える保険は、今後ますます需要が増えるのではないかと思います。

 

ご本人の意向で 周りと関わりを持ちたくない というのでしたら、その気持ちを尊重する必要があるかもしれませんが、住民としてご近所の方と声を掛け合える仲になっておくのが、何より大切なのではないかと思います。

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2013年4月11日 | コメント/トラックバック(0) |

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